テストの点数だけで大丈夫? 非認知能力が子どもの未来を切り拓く

急速な変化と不確実性が特徴のVUCA時代を生き抜く力が必要

前回の記事では、現代社会を生き抜くために、パーソナル学習教室プルートが重視している「自分の『やりたい』を叶える力」の重要性についてお話ししました。

プルートの教育方針とその背景(前編)
プルートの教育方針とその背景(後編)

私たちは、絶対的な答えが存在しないVUCA時代において、自己の価値観を持つことがますます重要になると考えています。このような時代を生き抜くには、テストの点数や知識だけでは足りません。では、どのような力が求められるのでしょうか?

まず理解しておきたいのは、テストの点数を上げるだけでは、現代に必要な力を育成することは難しいということです。知識を習得しても、変化の激しい社会では、その知識がすぐに時代遅れになることがあります。だからこそ、柔軟に対応し、適応していく力が求められています。この力こそが、いわゆる「非認知能力」です。

非認知能力とは何か?

非認知能力とは、テストの点数や学業成績に直接影響を与えない、しかし人生全般において非常に重要なスキルのことを指します。これには、共感力、自己管理能力、好奇心、挑戦する姿勢、感情のコントロール能力、社会性、責任感などが含まれます。非認知能力が高い人は、困難に直面しても柔軟に対応し、より豊かで幸せな人生を送ることができるとされています。

非認知能力は、米国の経済学者であるジェームズ・J・ヘックマンの「ペリー就学前プロジェクト」という研究から注目されるようになりました。この研究は1962年から開始され、現在も追跡調査が続いており、アメリカ・ミシガン州のペリー小学校付属幼稚園で実施されました。

幼児期にアクティブラーニング(学習者が能動的に学習に参加する教育・学習法)を受けた子どもと、そうでない子どもとを長期にわたって追跡調査し、幼児期の教育の人生への影響を調べました。

ここでの学習(アクティブラーニング)は、子どもたちの自発的な遊びをベースに実践が行われました。子どもが夢中になって遊んでいく中で、創造性を発揮したり、仲間とのコミュニケーション力を伸ばしたりするなど、社会的スキルを育んでいったそうです。

その後の追跡調査からは、アクティブラーニングを受けた子どもは、そうでない子どもよりも学歴・年収・犯罪率の低さといった社会的成功を表す要素で好ましい研究結果を残しました。

同時に、両者の間にIQの差はほとんどありませんでした。つまり、彼らの社会的成功は学力ではなく非認知能力に支えられていると結論づけられたのです。

更に他の研究では、「非認知能力の高い子は学力も向上する傾向がある」ということが明らかになっています。(一方で学力の高さが非認知能力や社会的スキルの向上に影響することはないとも言われています。)

主体的な学習経験を積み、努力することを覚えると、自らの意志で成長を求め、結果として学力が向上するということでしょう。このような子どもは成人後も、新しいことに興味を持ち、知識を得ようとする意欲を示していくでしょう。

このように、教育で重要なのは、忍耐性や協調性、計画力などの非認知能力が大事であることです。そして非認知能力は早い時期からの育成が大切とされており、その時期を機に生涯に渡って発揮され、人生を支える土台となるものなのです。

非認知能力の具体例

この力は日常生活の中で私たちが自然に使っている力です。
例えば、次のような場面で発揮される力が非認知能力です。

友達と仲良くする力

友達と意見が違ったときに、相手の気持ちを理解して話し合いで解決する力です。これは「共感力」や「対人関係能力」にあたります。

宿題をコツコツ続ける力

宿題がたくさんあっても、自分で計画を立てて毎日少しずつ進める力です。これは「自己管理能力」や「やり抜く力」にあたります。

新しいことに挑戦する力

初めての習い事やスポーツに挑戦する時に、失敗を恐れずに楽しんで取り組む力です。これは「好奇心」や「挑戦する姿勢」にあたります。

自分の気持ちをコントロールする力

楽しみにしていたイベントが雨で中止になってしまった時に、がっかりしすぎずに別の楽しいことを見つける力です。これは「感情のコントロール能力」にあたります。

ルールを守る力

みんなで遊ぶ時に、ルールを守って楽しく遊べるようにする力です。これは「社会性」や「責任感」にあたります。

これらの力は学校の成績には現れにくいものですが、人生のさまざまな局面で非常に重要な役割を果たします。非認知能力が高い人は、豊かな人間関係を築き、困難を乗り越える力を自然と身につけているのです。

非認知能力の育て方

では、これらの非認知能力をどのようにして育てていけば良いのでしょうか?
例えば、コミュニケーション能力を考えてみましょう。この文章を読んでいる皆さんも、当然ながらコミュニケーション能力を持っています。生まれて間もない赤ちゃんと今の自分を比べると、驚くべき成長を遂げていることに気付くでしょう。
では、そのコミュニケーション能力を育てたのは誰でしょうか?

親でしょうか?

それとも学校の先生でしょうか?

言うまでもなく、自分自身ですよね。

確かに、大人の言葉を聞いて語彙を増やしたり、本を読んでコミュニケーションのポイントを学んだりと、知識レベルでの学びはあります。

しかし、実際に豊かなコミュニケーション力を得るためには、自らその力を発揮し、実際に使っていくことでのみ成長が可能なのです。

つまり『非認知能力は自分でしか伸ばせない』ということです。
もちろん、その過程には自分を支えてくれる多くの人の協力が必要です。さまざまな価値観や力に触れ合いながら前に進むことで、自分の力を磨き、輝かせることができるのです。

非認知能力を高めるプルートの教育

点数主義の時代には、教育とは「大人が子どもに与える」ものでした。
しかし、生まれて間もない赤ちゃんが、自らの力で立ち上がったり、言葉を獲得したりするように、本来、人は生まれながらに力を持っています。この力は、ダイヤモンドの原石のように、磨いていくことでどんどん輝きを増していきます。
つまり、人の力は「指導して身に付けさせる」のではなく、「発揮させて伸ばしていく」ものといえます。
そのためにプルートでは、「主体的に学べるプログラム」と「豊かな繋がりを生む学習環境」という二つの側面から非認知能力を発揮させ、伸ばしていきます。

詳細は下記のリンクからご覧いただけます。

主体的に学べるプログラム

豊かな繋がりを生む学習環境

まとめ

VUCA時代において、非認知能力の育成はますます重要となっています。
非認知能力は自分自身でしか伸ばせない力なので、実際に使って発揮する機会を作ることが大切です。
パーソナル学習教室プルートでは、子どもが自主的に考え、行動し、成長できるプログラムと学習環境を提供し、非認知能力を伸ばしていく教育を行います。

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