「分からない」をそのままにしない学び方
「分からない」を学びに!
塾で子どもたちを指導していると、
「この問題が分かりません」と言って問題を持ってくる場面によく出会います。
ただ、実際に話を聞いてみると、最初からまったく分かっていないというケースはほとんどありません。
多くの場合、
‐ここまでは理解できている
‐でも、ある部分から急に分からなくなった
という状態です。

これは裏を返すと、これまでに学習した内容の中に、理解があいまいな部分が残っているということ。
そしてその部分を見つけて補い直すことができれば、学力を伸ばす大きなチャンスになります。
「分からない」と一言で済ませてしまう理由
本当は「どこまで分かっていて、どこから分からないのか」を見極めるべきなのに、
子どもたちはつい一律に「分からない」と言ってしまいます。
これは、「分からない」を細かく分けて考える経験が少ないことが原因です。
この「分からないを分解する力」が身についてくると、
難しい問題でも、少しずつ自力で理解できるようになっていきます。
今回は、算数・数学でつまずいたときに、
子ども自身が前に進めるようになるための考え方をご紹介します。
まず知っておきたい「やってはいけない勉強法」
問題を解いて、丸つけをしたとき。
バツがついた問題に、どのように向き合っているでしょうか。
ここで、避けたい学習のしかたを2つ挙げます。
① 何もせず、そのまま先に進む
「やった」という事実だけが残り、
理解としては何も積み重なりません。
時間をかけたわりに、力が伸びにくい学習になってしまいます。
② 答えを書き写すだけ
間違えた答えの横に、赤で正しい答えを書く。
一見、直したように見えますが、これは解き直しではありません。
「この答えになるんだな」と確認しているだけで、
なぜそうなるのかが自分の中に残らないからです。

どちらも「勉強した気」にはなりますが、
新しい理解は生まれていません。
間違えた問題を「力」に変える3つのステップ
ここからは、特に小学校高学年以上で効果的な取り組み方です。
算数・数学の問題集には、ていねいな解説が載っていることが多いですが、
実はこの解説を正しく読み取れない子は少なくありません。
そこでおすすめしたいのが、次のステップです。
「分かる」と「分からない」に分ける
解説を読むときは、
一文ずつ、短く区切って読むことがポイントです。
・定規を当てて一文ずつ読んでいく
・「この一文は理解できているかな?」と確認する

読み進める中で、
「ん?」と引っかかる部分が必ず出てきます。
そこが、今の理解があいまいなポイントです。

【 例:円の面積を求める問題 】
・円の面積=半径×半径×3.14 で求めます。
→ 分かる!
・(式) 5×5×3.14 となり、
→ 分かる!できてる!
・25×3.14=78.5
→ ここが分からない…
この場合、
円の面積の求め方は理解しており、立式も正しくできているが、小数の計算のし方が理解できていない為につまずいているということが分かります。
「分からない」を「分かる」に変える
つまずいているポイントが見えたら、
そこだけを集中的に復習します。
・教科書や参考書を読み直す
・先生に質問する
・分かりやすい解説動画を活用する
・理解できていないところを練習する

理解できたら、もう一度元の問題に戻ってチャレンジ。
解説を見ずに解き切れたとき、
はじめて「分かった」と言える状態になります。
「分かった」を「できる」にする
テストや入試では、
まったく同じ問題が出ることはほとんどありません。
そこで大切なのが、似た問題で練習することです。
条件が少し変わっても解ける
考え方を使い回せる
ここまでできれば、力としてしっかり身についています。
少し時間を置いてから解き直すと、定着もより確実になります。

おわりに
解説は、答えを教えるためのものではなく、
「理解へのヒント」として用意されています。
長く感じる解説も、
短く区切って読んでいけば、
「どこまで分かっていて、どこから分からないのか」が自然と見えてきます。
この力は、算数・数学だけでなく、
文章を読み取る力そのものも育ててくれます。
特に、文章量の多い問題が出題される高校入試を見据えると、
今から身につけておきたい大切な力です。
すぐに答えにたどり着ける便利な時代だからこそ、
立ち止まって考える経験を、ぜひ大切にしてみてください。




